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そして病院における働き方改革がなぜ難しいか、この記事を読めばその原因のひとつがお分かりになるかと思います。
私自身、産業医として一般企業の世界に入り込むまでは「労働基準法って何?」というほど労働法規リテラシーがありませんでした。きっと今も臨床一本で続けていれば、ほぼ100%天野先生の主張に同意していたことでしょう。また、なまじ人の病気を扱っていますから「自分は大丈夫」「あいつも大丈夫」というバイアスが特にかかりやすい業界でもあります。
考え方は様々ですので否定はしません。しかし幅広い視野を持つために、皆が1年でも良いので産業医として一般社会に身をおく経験をしてみれば良いのにと割と真剣に考えています。
「プレイヤーの視点」「管理スタッフの視点」、経営トップはどちらの視点もバランスよく持つ必要があるのではないでしょうか?
本文引用
ちゃんとやることをやってから、「自分たちの待遇をもう少し変えないと、対象である患者さんにサービスできませんよ」ということを言え、と。
やることもやっていないのに、民間企業を対象に政府がやろうとしている「働き方革命」を、我々が右へならえするのはおかしいと思う。
なんだかんだいっても、手術数は、外科医の良し悪しの大きな指標。私は昨年の手術数249件でした。消化器外科ですし、天野先生のようなスーパースターと較べるのはおこがましいですが、やればやるだけ上手くなる部分は間違いなくあります。
私は凡人なので、職場はブラックだし、もうちょっとサボりたいと思っていますが、それでも天野先生の仰る意味はとてもよく分かります。
ただ女医の多くの配偶者は男性医師です。医師をマネージメントする先生は、ブラックをきっちり否定して、適切に休みをとり、早く帰宅してほしいし、そうさせてほしい。多くの先生はそう願っていますよ。
本音とそれを支える理屈が気持ちいいくらいクリアなんですよね、常に。日頃からいろいろ考えていらっしゃるのだと推察します。
この連載、写真もよいですね。ドクターコートやらスクラブやらスーツやら毎回雰囲気の違う天野さんが出てきてメリハリがありました。
しかし、新潟市民病院研修医過労死等の事件を境に、日本各地の医療機関に労基署の監査が入るようになりました。
私の仕事先も、労基署の強い勧告に従うように、一方、今までの仕事はこなすように勤務体制を変えるべく、日々、延々と小田原評定を続けています。日本各地の病院で同じ事をやっているんだろうと思います。
◎ポール・マッカートニーのライブを観て、私もトレーニングを始めました。
◎私の立つ出版業界もある程度「ブラック」は致し方ないと思います。
◎「数方追求」は、つまり研鑽の追求です。どんな仕事も経験に勝る飛躍の手立てはないです。
医療業界だけではなくプロフェッショナルな仕事にブラックもホワイトもないということを、身を以て示しているのが天野先生ですね。
限界をつくらない。スポーツをやっていた時はずっと意識していた言葉ですが、もう一度この感覚を取り戻そうと思います。