【落合陽一】人工知能にとって、人間は「お酒やタバコ」のような存在だ
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人間がマシーンに近づくために、「熟練の技」を得るための訓練と経験を必要としているにも関わらず、その仕事自体に付加価値が少ない仕事。そういった仕事は早晩、無人化そして自動化されるだろう。本稿での落合さんが言うところでは、タクシー、物流トラック、スタジオカメラマン…、これらの仕事がそれに当たる。
これはもはや避け難い未来だ。中でも、モビリティは、まずは物流を中心に急速に変化するだろう。その方が遥かに安全で、効率的だからだ。ただ、一点留意すべき点がある。本稿で落合さんは記者の質問を受ける形で、スマホの「次」は、VRや、音声認識スピーカーではなく、それは「明らかに自動運転」という。この落合さんの言は100%正しい。ただし、記者の質問は若干ずれている。
人類の進化の歴史は、情報伝達技術(視聴覚情報・金融含む概念情報)と物理的移動技術(ヒト・モノの両方)の発展の歴史だ。これまでのコンピュータ技術の進歩が基本的には情報伝達情報分野がメインであったのが、物理的移動技術=モビリティへと進むのは、人間にとって大きなインパクトだ。
一方で、スマホからVRや音声認識、というのは、情報伝達技術分野における純粋にメディアインターフェースの話にすぎない。もちろんこれらの情報伝達分野の要素技術(例えば画像認識や位置情報認識の技術もそうだ)はモビリティの無人化・自動化を可能たらしめる要素技術でもある。ただその「情報伝達技術」の組み合わせで「物理的移動技術」へと進化させることによる人間へのインパクトが大きいのだ。
物理的移動が無人化・自動化された世界は極めて効率的だ。東京を始めとした日本の大都市の効率性の高さはその鉄道網の存在に因るところが大きいといくつかの都市経済関連の論文でも見られるが、それは鉄道が自家用車に比べ、無人化・自動化に近いモビリティを提供出来ているからだ(しかし、混雑や個人の都合を無視した運行などの経済的不利益は個人に課せらることとなっている)。
人間はわがままな生き物だ。自動運転技術は経済的ベネフィットも高く、個人にとってもストレスを限りなく解消する魅力的技術だ。しかし、技術的に可能であっても、既存のシステムとの軋轢や人間の心理的ハードル、経済的インセンティブの問題から、なかなか普及しない技術が存在するのも事実。果たして、自動運転技術はどうなのだろうか?テクノロジーに精通しているメディアアーティストの、落合陽一さんに、機械化や無人化がつき進んだ“先”のライフスタイルについてお話を伺ってきました。
19Fという高層階に住んでいる落合さんが、地上にあるコンビニに行かないで、Amazon Prime Nowを愛用しているという話は面白かったです。配達員の方には失礼なのですが、そうした物流や移動が機械化してゆけば、人間がとぼとぼコンビニに行くよりベターということでしょう。
何より未来は半導体工場のようなものになる、という表現にけっこうしびれました。(ただし半導体工場はクリーンすぎて、私は嫌いです)