重要なのは「平均寿命」ではなく「健康寿命」 都道府県ランキング 1位はどこ?
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健康寿命が寿命より大事、という主張に同意します。
これまでどのように寿命がのびてきたかというと、医療の面では、主に生存率をエンドポイントとした膨大な量の臨床研究に支えられている訳です。
研究の多くは後方視的なものです。
カルテなどを見て、治療Aの患者さんと治療Bの患者さんでは前者の方が生存期間が長いようだ、といったことを発見します。
しかしこのような後方視的な研究は、様々なバイアスを伴い、情報の不十分なもので、あくまで仮説を生成するものと位置付けられます。
後方視的な研究で有力な仮説が得られたら、前方視的な臨床研究を行い、真実かどうかを検証します。
前方視的な臨床研究で得られた、確実性の高い結果をもって、教科書が書き換えられていく、ということになります。
後方視的な研究は少ないコスト(資金、時間)で行えるため、実際にこれまで多く実行され沢山の仮説を生み、有力な仮説は前方視的研究で、真実かどうか検証される、という流れで医学研究は進んできました。
しかし、後方視的な研究で評価できるのは、生死や大腸癌発症などのハードなエンドポイント(誰が測定しても同じ結果がでる測定値で、カルテをあとから見返しても情報が取れる)のみです。
生活の質、自立度、症状の強さといったソフトなエンドポイント(前方視的に、標準的に情報を取る必要がある)は日常診療で測定すらされていません。
ソフトなエンドポイントは前方視的研究でしか評価できないわけですが、後方視的研究でデータをさらって仮説を生み出すことができないため、そもそもどのような仮説を前方視的研究にかければ良いかがわかりません。
ここが足枷となって、ソフトなエンドポイントを評価する研究はまだ入り口にも入っていない、という現状です。
どのような医療で健康寿命(あるいはQOLの高い状態での生存、あるいは自立した状態での生存など)がよりのびるか、という研究は現在ほとんど存在しないわけです。
ここをクリアするために、要点をしっかり捕まえながら簡易に取れるエンドポイント、を広く薄く、しかし標準的に(ここが大事)とる研究を行っており、今後の解析に備えています。男女総合では、茨城県は3位入賞ですね。県民所得は全国4位。農業は北海道に次いで2位。研究開発拠点と工場立地は1位。敷地面積も1位。茨城って、やっぱり豊かな県だと思う。
おもしろいですね~
男女とも低いのが福岡、長崎、大分など九州に偏っているし、女性最下位の滋賀は男性が18位と上位で、男女差が2歳しか違わない。
これは健康寿命と平均寿命との差、つまり不健康で生き続ける年数のランキングも出すと面白いかもですね。