ソフトバンク世界最大ハイテクファンド誕生の裏側
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ファンドマネジメント稼業をやるものとして、いちいち痛いほど良くわかる生々しい出資者との交渉内容です。
出資者側サウジと、運営側ソフトバンクとの考えは実はズレていることがこの記事からは判ります。
もっともこの手の話はベンチャーキャピタルファンドの募集において極めてティピカルに生じる議論です。いかにお互いのExpectationを入り口の段階で合わせておくかがキーで、それに失敗すると入り口でブレイクするか、運用段階で大変な困難が待ち受けます。
そのため「孫社長は当初、これに抵抗したが、双方とも折れ、ソフトバンクは一定の規模の出資案件関してサウジ側の拒否権を認めることにした」
との事、つまり孫さんが投資したい案件に投資出来ない可能性があるという事であり、途轍もない譲歩でありリスクであり足枷せです。これは他の出資者に対するコンフリクトでもあり、おそらくその点において他出資者との調整も困難を極めたと思います。サウジの『投資面での利益ばかりではなく、石油依存から脱却するための知識や技術を獲得』を求めてくるプレッシャーと、トランプ大統領の米国で雇用を生み出せプレッシャーを上手く受け流しながら、結果的に孫さんは自分が投資したい先にどんどん投資していくんでしょうね。
ビジョンファンド交渉の裏側。交渉の生々しい様子が伝わって来ます。
「ソフトバンクは出資先を決める会議にサウジ側を出席させることで合意したが、投資委員会での議決権については譲らなかった。しかし、PIFは投資委員会の決定に対して拒否権を持つことを主張した。孫社長は当初、これに抵抗したが、双方とも折れ、ソフトバンクは一定の規模の出資案件関してサウジ側の拒否権を認めることにした。」