この連載について
第四次産業革命が動き始めた昨今、社長を筆頭とする経営陣に求められる資質が変化している。
プレイングマネジャー型から、新しいビジネスモデルを作り取捨選択するポートフォリオマネジャー型へ。親方日の丸に守られるのではなく、ビジネス拡大のためには時には国家と戦うことも辞さない「正しい独裁者」が求められる──。
本特集では、新時代の経営者像の具体的な能力、人物像を掘り下げると共に、どうすればイノベーションを起こす新・経営者に近づけるのかを明らかにしてゆく。
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建設・鉱山機械、ユーティリティ(小型機械)、林業機械、産業機械を製造販売。主要コンポーネントは日本で開発・生産、需要の大きい地域で現地組立・生産。ICTにより得られた膨大な稼働情報をマーケティングやサービスに活用。
時価総額
4.39 兆円
業績
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また、坂根さんは、2001年の社長就任直後から構造改革を断行し、翌期から業績をV字回復したことで「世界のベストCEO」にも選出されています。
そんな坂根さんはインタビューで示唆に富む言葉をたくさん言ってくれました。
・下の人に付いてきてもらうためには、トップは下に「あの人が言ってることは、腹にストンと落ちる」というか、「納得せざるを得ない」と思ってもらうしかありません。
・2年で結果を出せないと、人の気持ちがもたない
・その業界に、どっぷり浸かってる人からは、イノベーションは生まれません
など…金言の数々には興奮を抑えられませんでした(箇条書きでもここには書ききれません)。
是非本文をお読みください。
>多くのアメリカの会社は会計や経理を管理するITシステムを、全部“既製服”で間に合わせ、自前のITを使いません。だからこそ、労働の流動性に意味があって、どこの会社にいってもそのシステムが使える、転職するたびにイチから学び直すといった非合理がない。
それに、外部の力をできるだけ活用することで、トップはビジネスモデルを作るといった重要な仕事に集中できます。このように、社会全体で強くなろうとしているところが彼らの強さです。
片や、日本の場合は個々の企業で強くなろうとはするものの、社会全体で強くなろうとする力は弱い。ただし、日本は現場力はめっぽう強い。
現場の実情をよく知る課長クラスが上層部に対してしっかり意見や提案をし、一人ひとりの部下に気を配ってモチベーションを引き出すことは、日本企業を動かす大きな力です。
「自前主義でやっていたら、自分達の日本流のやり方が正しいと思いがち」
「外部の力をできるだけ活用することで、トップはビジネスモデルを作るといった重要な仕事に集中」
以上と安東さんのコメントから,外部から持って来られるところはそうし,集中すべきことに真に集中すること.
「日本の場合は個々の企業で強くなろうとはするものの、社会全体で強くなろうとする力は弱い。ただし、日本は現場力はめっぽう強い。」
自動運転を開発する自動車メーカー,AI時代を迎えた家電メーカーに通じる考え方.
【追記】 多くの偉い方のコメントを読んでいると勉強になります.私はビジネス経験が皆無ですので. ERPとかRPAとか,Googleに教わりました.本記事の内容についてもそうですが,このようなビジネスのノウハウを研究室の運営に役立てたいと常日頃思っています.
さて本題の経営者育成ですが、早めの選抜(30代半ば)と、修羅場経験を積ませることとのことで、以上終わりなんじゃないですかね。
これがキーノートになり、あとはそういう経験を積んだ人、積んでる途中の人の紹介に続くと特集的には良いのですが、明日は突然ベンチャー社長。うーん、、
コマツ建機のIoT化にあたっての以下のプロセスは面白いです。実際、トラックや乗用車のIoT化においても、競合と一円でも安くと価格でしのぎを削っている中、こういう社内の反対は起こりがちだと想像しますが、まずはこうした新たなアイディアに価値を見出してくれる顧客を発見して一緒になって成果があることを証明してゆく、そしてそこから規模を拡大してゆくというアプローチがうまくいった理由だと思います。何事もやる前に否定ではなく、Experimentから。勉強になります。
>建機の代表的モデルの場合、1000万円位の販売価ですが、国内では儲かっていませんでした。こんなシステムを載せたら、さらに20万円、30万円の販売価アップを必要とします。
ただでさえ、赤字のなか、お客さんがそんなシステムにお金を払ってくれるのか、と反対されました。
しかし、たまたま運良く、今度は福島の販売店の若社長が、保有するレンタル用建機にこのシステムをつけたら故障時や給油する際、管理がしやすいと、1000台分のオーダーを出してくれました。この注文書があったからこそ、開発が進んだのです。
そして、その後、2001年に私が社長になったとき、このシステムはお客のためではなくて、自分たちが管理するために付けているのだから、コストが少々上がっても、標準装備で付けろと指示しました。
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・日本が高度成長期の頃は、社員みんなで頑張れば、それが全体最適に繋がり、トップはお神輿の上に乗っかっていればよかった。
しかし、成長が止まると、会社を全体最適にするためには、部分最適の集合では駄目です。部分最適の中には投資に見合わない非常に非効率なものがあり、あれはやめて、こっちに集中してくれと、取捨選択しないと、全体最適にはなりません。
こうなると、リーダーがしっかり決断しない経営は、有り得ないわけですよ。
・コマツには本業を始め、世界で1位か2位になっている事業、商品がすでに相当ありました。だから、すでに1位か2位、あるいは1位か2位になれる可能性がある事業や商品以外は全部やめると言ったんです。
・また、多くのアメリカの会社は会計や経理を管理するITシステムを、全部“既製服”で間に合わせ、自前のITを使いません。だからこそ、労働の流動性に意味があって、どこの会社にいってもそのシステムが使える、転職するたびにイチから学び直すといった非合理がない。
それに、外部の力をできるだけ活用することで、トップはビジネスモデルを作るといった重要な仕事に集中できます。このように、社会全体で強くなろうとしているところが彼らの強さです。
フルラインの技術メーカーとしての自負がありながらも、
バリューチェーンの中で、自社の強みと弱みを測り、
弱み、つまり、競争力がなく、コストが下がる他社の製品を
導入した方が良い部分は自社部分を止め、
建機の稼働を管理するGPS 機能などは買収して取り込む。
これは的確性です。
一方で、適時性ですが、並みの経営者なら、正しいとはわかっていても、リストラに対する抵抗勢力を恐れて、
その時期を延ばして自分は大過なく過ごし、問題の本質を後進に預けてしまい、
事態を手遅れにしてしまう。
社長になるくらいの人なら誰でも、概ねの経営判断の良し悪しは分かっています。
しかしその判断をそこで実行すること、適時性が極めて難しい。
リストラも、その正しさをしっかりと説明する。何度もする。
退職の手当を厚くする。再就職先を確保してあげる。
経営者として、判断の的確性と適時性を為すためには、
その判断の合理と情理のバランスを、
1ミリ単位で行うことが大事です。
引用
ところが、日本の経営者は、この親子上場がなかなかやめられないし、やめる決心もつかない。
──上場している子会社の既得権益もあり、抵抗勢力が猛反発するからですね。
本社の副社長をやっていた人が、社長として子会社に行くこともありますよね。こういったOBの人達の中にも自分がいた古巣を解体するのか、という抵抗はすごい。
──その抵抗を、どのようにして抑えたのですか。
そこはもう、押し切るしかありません。それが怖くてできないなら、社長業なんてできませんよ。
私の場合は、コマツの本業までおかしくなったら、この会社は全員で沈没するしかない、私には本業を立て直す確信があるから、やらせてくれと言いました。
ここまで言うと、なかなか反論は難しいよね。
箇条書きで学びを整理してみました。
・直観で発想して、事実データを裏付けに変革の種を撒く
・自前主義→エコシステム全体を考える思考をもつ
・ドライな意思決定をした時は、自分自身が約束・コミットを示す
・海外、異業種からの情報をキャッキャッチアップし、直ぐに変革へ活かす
すぐに坂根さんの本を購入してしまいました。
ダントツ経営―コマツが目指す「日本国籍グローバル企業」
https://www.amazon.co.jp/dp/B019C8S3BI/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1
なまじ頭が良かったり優秀だったりする人が陥りがちなことは、本質的に重要でないことでも処理する能力があったり、中途半端に物事を整理できたりしてしまうところ。でも、そういうことだけで皆がついてくるわけではない。
下についてくる人が「腹にストンと落ちる」ような方向性を示せるかどうかは、示す側が本質的なことに徹底的に向き合って考え抜いて腹決めでてきているかどうかでわかる。特に変革のタイミングにおいてはこれが求められると思います。