日本銀行という専門医は診断を間違っていた
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注目のコメント
インフレ目標2%はまだ未達かもしれませんが、単純に黒い日銀後のほうが、白い日銀までのときよりも、確実に経済環境良くなってますけどね。ちなみに米国でも、PCEコアデフレーターベースではインフレ目標まだ達成してません。
>こうした状況でいったいどのような行動を採るのが最善なのかは、非常に難しい問題だ。何かしっかりとした理論があるのであればぜひ教えていただきたいと思うが、とにかく決断しなくてはならないという状況だ。
何も策がないのに「決断しなくてはならない」というのがある意味すごいです。なぜそこまで出口に拘るのか、本当に分かりません。
日本の異次元の金融緩和はアメリカのQEを参考にしてますが、アメリカは予想インフレ率が上がってきたから利上げしました。日本はまだまだデフレ脱却に程遠い感じなんですが、「雇用の安定」という側面だけで利上げを迫るのはちょっと筋違いかと思います。物価の安定は実現していませんので。「今年に入ってプラスに転じており、2月は前年同月比0.2%の上昇となった。筆者らは年末ごろには上昇率が1%程度になると予想しているが、政府・日銀が目標としている2%に達するのはいつのことになるかわからない」
コアインフレが極めて安定しており、消費者物価の変動は為替による影響が大きいように思うので、トランプショックやアメリカ利上げで円安に振れたものの、円高に戻しているところを見ると、それで今年に入って0.2%物価上昇したからと言って1%まで上がるという理由は分からない。為替が円高になった分遅れて足元の物価は再び下がると思う。
「思い切った金融緩和を実行すれば、原油価格や為替レートといった外部要因がどうであっても2%の物価上昇を実現できるという、黒田日銀の楽観的な見方が間違っていたことは明らかな事実」
もっと言えば、インフレ目標と量的緩和に期待効果があって物価が上がると見込んでいたが、経済学者が批判してきた通り、そのようなことは起こらなかったということです。
「民主主義の仕組みの中では、建前からすれば受益と負担の生じる問題についてはすべて国民の代表である国会が決めるべきだ。しかし、…短期金利を上下させる通常の金融政策で生じる所得分配への影響は一時的なものであるので、経済の安定が実現できるのであれば、専門家に判断を任せるほうがよいというのが、中央銀行の独立性の理由」
要するに、金融政策のような経済政策に、専門的、科学的知見が必要だ、と考えられたからでしょう。
「異次元と称するような非伝統的金融政策は、国民にケタ違いの負担を引き起こす可能性があり、専門家に任せておけばよいというわけにはいかない」
専門家でない人に任せる方が良いということにはならないでしょう。本質は、異次元緩和が、真に専門的見地から見て望ましい政策かどうかだけです。
「さて、みなさんの選択はどうだろうか」
私の選択は効果がない量的緩和は止めるべきと考える一方、停滞する経済には金融の刺激がまだ必要で、伝統的金融政策である金利誘導に戻り、マイナス金利を深堀りしていくということです。
それが私の専門家のはしくれとしての見解です。