【新】スクープ量産の背景とは。週刊文春編集長の「仕事の思想」
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注目のコメント
物書きの立場で言わせてもらいます。
文章は読まれなければ価値がない。
本は売れなければ意味がない。
でも、読まれればいいというものではない。
売れればいいというものではない。
卑猥な話や下世話なことを書けば、そりゃあ簡単に部数やPVを稼げるさ。
でも、書くのは売れるためじゃない。
伝えたいメッセージがあるから書いている。
僕の場合は、宇宙探査の面白さをもっと多くの人に知ってほしいから、今の連載を書いている。
読者が求めるものを書くんじゃない。売れるものを書くんじゃない。自分が伝えたいことを、読まれるように、売れるように書くのが本当のプロだ。
ただ売れる、読まれるためだけに書く文章なんて、魂のない身体と同じ。
いったい、文春の記者は何のために書いているんだろう?
他人を尾行して、写真を隠し撮りして、下世話なネタを低俗な言葉で書き散らかして、「自分はいったいなんのために生きているんだろう?」と立ち止まって疑問に思うことはないのかな?
自分のやっている仕事を、息子や娘に誇りをもって語れるのかな?
少なくとも、彼らは書くモチベーションや、生きる意味についての考えが、僕とはだいぶ違うらしい。〝一つひとつのテーマに対して、読者の熱量はどれぐらいか、どれぐらいの風が吹いているか、その風は強くなっているのか止みそうなのかを判断するために、人に会ったりネットで情報を得たりしています〟
文春が巧みなのは、この部分だと思う。
テレビが世間のリアルな感覚をまったく捉えられたくなっているのに対して、
文春は「今これを読みたい!」という空気を敏感に感じ、その期待を何倍も上回るネタをドンと提供する。
自分たちはマスコミだ、自分たちはジャーナリストだ、と踏ん反り返った瞬間に世間はそっぽを向くと最近強く思う。
〝自分はあくまで編集者で、ジャーナリストだと思ったこともない〟
という、「一方的な正義」ではなく「面白い」を追求する新谷さんの姿勢が世間の風を受け勢いを増す今の『週刊文春』を作ってるのだろう。
ちなみに『週刊文春編集長の仕事術』はめちゃめちゃ刺激的で、気づきと学びに満ちてました。
堀江さんのコメントが楽しみです。