走行距離32万km超の「長寿」車種、トヨタとホンダが半数占める
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先月アフリカにいったときに、日本車に乗るたびに、ドライバーに走行距離を教えてもらっていました。20万キロ以下の車両は一台しかなく、14万キロ走っていました。聞くに、買ったばかりだという。20万キロから25万キロが一番多く、最大が36万キロだったトヨタのピックアップ。流石ですね。
日本だと10万キロを超えると全く値がつかないので、海外に輸出され、20万キロを超えるとやはり値がつかない国があるので、さらにアフリカに輸出されるという形もあると聞いたことがあります。
こうした長距離を走行した車が支配的な国だと、自動車修理工場に足を運ぶと、素晴らしい熟練の、しかし荒々しい技術。廃車から部品をかき集めて、ハンマーで調整している、日本ではもはや失われた世界が広がっていました。
長く使える車を作る、それが世界を渡っていく。ロマンですね。長く乗っても、距離を乗ってもクルマが壊れない。これはとても大切なことです。日本より相対的に年間走行距離の多いアメリカで、日本車が元気に活躍しているのは、誇らしいことですね。
ちなみに日本では乗用車の平均寿命は13年に迫っています。
http://www.airia.or.jp/publish/statistics/ao1lkc00000000z4-att/03_siyonensu.pdf30年前ですら驚きました。
中国の広州でのこと。駅前の広いタクシー駐車場には日本製のクラウンとセドリックばかり。もちろん中古です。しかも、社名やロゴがそのままの車両もたくさんありました。その一台に乗り込むとさすがに中古なので乗り心地は良いとはいえません。
そこで尋ねました。「10万キロは走っているよね?」中国語のわからない私にドライバーはにこやかに、かつ多弁に色々教えてくれます。通訳が言いました。
「この車はまず日本で廃車一歩手前の代物を香港の業者が安く買ってきて散々乗った。だからその時点で20万キロは走っている。それでもへたりはじめたのをここに持ってきているんだよ」
ということは、適宜修理すれば1970年代後半からの日本車は、当時すでに30万キロは走れたのです。
「日本の自家用車は軍用車よりタフだ」以前、米国海兵隊出身の知人が呆れていたことがあります。彼は米国車から日本車に替えていました。
これらはとても素晴らしいことなのですが、他方で日本は消費社会が進み過ぎて、何でも買換えしてしまう。エアコンも30年前のものは修理不能ですし、家電もカメラも似たような状況です。
折角良いものを作る技術があるのですから、それを長持ちさせる修理・改善の技術のなかにも日本の生きる道があるような気がします。
「俺のこの車、買ってから100年経つ。曾爺さんが買ったんだ。当時燃料はガソリンだったそうだが、今は動力部分を水素仕様に替えてある。まだ50年は行けそうだぜ。こんな技は日本にしかできないらしいよ」私たちの孫世代がこんな会話をできるような社会は、まさにサステナブルではないでしょうか。