習近平政権の強国外交の根底にある「恐れ」
コメント
注目のコメント
この記事、執筆しました。中国問題のいちばんやっかいなところは、外国の中国に対する認知と、中国自身の認知が、大きくかけはなれているところです。それは彼らに分析能力がないのではなく、むしろ分析能力の高い人々がそろっているのですが、政治レベルになると「そのように分析しなければならない」というロジックが内在され、議論が外国とかみ合わなくなるのです。それは国家の病のようなものです。どの国にも多かれ少なかれあるものですが、中国の場合、記事にあるように国家の生い立ちもあって、その傾向が著しいのです。大国になった中国でもその点は変わりません。それが北朝鮮問題でのリスクを高める要因にもなっているように思えます。
この「朝鮮半島クライシス」の連載のバックナンバーはこちらです。
https://newspicks.com/user/9456連載「北朝鮮クライシス」の第6回は、中国など中華圏アジアを専門とする野嶋記者による記事。中国の国家の成り立ちと、習近平の個人的な資質という2つの視点からのアプローチは野嶋さんらしい味方。
明日は最終回。安全保障に精通した数少ない政治家の1人、長島昭久議員への佐々木編集長インタビューです。図らずも、インタビュー実施翌日に離党が表明され、とても驚きました。
さて、本題。習近平の中国共産党総書記就任は2012年11月。金正恩の北朝鮮の最高指導者就任は2011年12月。概ね時期が重なっています。5年近く、中朝のトップが面会していないのは意外でした。もし、今、習近平が金正恩と会談するという話しがでれば、大きく情勢が変わる可能性もあるかも知れません(単なる憶測ですが)。
2010年前後の日中関係悪化の背景として、中南海の対日(対外)強硬派が力を付けてきたという人事ないし内政からの分析を、ある専門家から聞いたことがあります。内部の事情や指導者の力の関係の動きが、対外政策にも出てくるというお話しでした。
政治指導者の個人の資質の部分と、内政上の理由から「そう振る舞うこと」に政治的な意味があるケース(例えば対日強硬姿勢など)がみられるように思います。
中国と簡単に一緒には語れないものの、アジア全体を俯瞰すれば、強烈なカリスマを持つ時代から、調整型リーダーや実務でコツコツ型のリーダーへの時代となっている印象を持っています。現在、カリスマが強いと言われるのはドゥテルテ・フィリピン大統領やモディ・インド首相が挙げられます。
ただ、この(対照的な)2人ですら、時代に要請された実務や調整をベースにしていると私は見ています。対外的に目立つ動きが大きく報じられがちですが、現地の情報を細かくフォローしていくと、案外と地道な施策もとっていることが分かります(だからこそ、高支持率が続いている)。
それだけ新興国において、統治機構や組織に加えて、国際関係が内政にも直結するという複雑が生じて、リーダーのあり方も変わってきているのでは(あるいはカリスマでけん引する時代が終わったのでは)と感じるところです。
連載のバックナンバーはこちらから。
https://newspicks.com/user/9456
明日の最終回までお読み頂けると嬉しいです。色んな専門家の方々が仰っていますが、最終的に中国の外交問題は全部内政問題、すなわち中共内の権力闘争が関係するように思います。
北朝鮮問題についても、北朝鮮とズブズブの関係にある江沢民派を叩くために習近平が北朝鮮に対して強硬な姿勢を取っている、と言われていますよね。また、中国経済を見てもアリババのジャックマーを含め、上海閥と呼ばれる江沢民派が多いのも有名です。