米ビームを1兆6300億円で買収。統合作業の難しさ
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ビームの買収は当時は散々叩かれました。1兆円以上の借金をして買う価値が果たしてあるのか、大前研一氏なんかもかなり手厳しい評価でしたが(彼はクロスボーダーM&Aの成功率は5%と言っていますし)、直近の決算を見る限りではサントリーのビーム買収はここまでのところまずまずの成果に見えます。
今回新浪氏が言っている「彼我の意識差」(買った・買われたの期待値の違い)と、「文化の違い」というのはどのクロスボーダーのM&Aでも発生する障害でしょう。ここを丁寧に取り除かない限りPMIの成功はありません。ビーム案件を見ていると、やはり新浪氏が直接乗り込んでコミュニケーションしたのが寄与したことと、あとは両者のフィロソフィの相性も良いように見えます。お酒造りは文字通り「スピリッツ」の世界ですから。
クロスボーダーM&Aの成功法則でいくと、以前NPのリクルート特集で紹介されていた、「責任者自らM&A先を探す」というのが最も理に適っていると思います。買収後はどうしても「なんで買ったんだ」という非難の応酬になりがちですが、自分で一気通貫でやるのであれば、コミットするしかないわけで。【第17話】2014年、米蒸溜酒大手のビーム社を1兆6300億円で買収したサントリー。新浪剛史さんは真っ先に統合作業に取り組みます。「日本の会社であの規模のクロスボーダーM&Aを早期に成功させた事例は、あまりありません」。その難しい作業の具体的な内容とは? 外国人との交渉に役立ちます。
経験したことないですが、M&A後の組織統合は、評価制度や配置を変えるだけでは当然上手くいかないのだろうと想像しています。
トップの強い意思、感情で組織を動かしていくプロセスが必要になるのだろう。ジョン P コッターの企業変革8プロセスは有名ですが、最初の①〜④あたりがトップ中心に感情で組織を動かしていくフェーズ。
①緊急課題であるという認識の徹底
②強力な推進チームの結成
③ビジョンの策定
④ビジョンの伝達
⑤社員のビジョン実現へのサポート
⑥短期的成果を上げるための計画策定・実行
⑦改善成果の定着とさらなる変革の実現
⑧新しいアプローチを根付かせる