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買収は僕も何十回も経験しましたが、相手の役員や従業員にしてみれば、「そんなの関係ない」となりがちです。単に株主が変わっただけで、目の前にある日常は何も変わらないのですから。それを、そうじゃないんだ、今この会社のオーナーはこちらであって、オーナーとしてはこうあって欲しいと願うのだ、などと言っても、なかなか言うことを聞いてくれるものではない。一つはじっくりと理詰めで話し合うこと、そして、もう一つは、その方が皆にとっても経済的にメリットがあることを説くことがとても大事です。
ビームの買収は当時は散々叩かれました。1兆円以上の借金をして買う価値が果たしてあるのか、大前研一氏なんかもかなり手厳しい評価でしたが(彼はクロスボーダーM&Aの成功率は5%と言っていますし)、直近の決算を見る限りではサントリーのビーム買収はここまでのところまずまずの成果に見えます。

今回新浪氏が言っている「彼我の意識差」(買った・買われたの期待値の違い)と、「文化の違い」というのはどのクロスボーダーのM&Aでも発生する障害でしょう。ここを丁寧に取り除かない限りPMIの成功はありません。ビーム案件を見ていると、やはり新浪氏が直接乗り込んでコミュニケーションしたのが寄与したことと、あとは両者のフィロソフィの相性も良いように見えます。お酒造りは文字通り「スピリッツ」の世界ですから。

クロスボーダーM&Aの成功法則でいくと、以前NPのリクルート特集で紹介されていた、「責任者自らM&A先を探す」というのが最も理に適っていると思います。買収後はどうしても「なんで買ったんだ」という非難の応酬になりがちですが、自分で一気通貫でやるのであれば、コミットするしかないわけで。
経験したことないですが、M&A後の組織統合は、評価制度や配置を変えるだけでは当然上手くいかないのだろうと想像しています。
トップの強い意思、感情で組織を動かしていくプロセスが必要になるのだろう。ジョン P コッターの企業変革8プロセスは有名ですが、最初の①〜④あたりがトップ中心に感情で組織を動かしていくフェーズ。

①緊急課題であるという認識の徹底
②強力な推進チームの結成
③ビジョンの策定
④ビジョンの伝達
⑤社員のビジョン実現へのサポート
⑥短期的成果を上げるための計画策定・実行
⑦改善成果の定着とさらなる変革の実現
⑧新しいアプローチを根付かせる
日本国内企業同士のPMIも企業文化の違いや期待値のズレから難しいことが想像されますが、それがクロスボーダーになると言語の意思疎通の障壁と国の文化の違いも入ってくるので、本当に難易度が高いプロジェクトでしょうね。
"買収した当初の約束と違っていても、こちらが理詰めで説得すれば通ります。そこを感情論で押し通そうとすると、おかしなことになる。"
単なるM&Aでも難しいのにそこに文化が入ってくるとなると想像できないレベルになります。
正当性を踏まえ、論理で説得されたとのこと。おそらく、語られていないですが、制裁、報酬パワーを懐に忍ばせ、ある局面では
使われたのでしょう。それを考慮しても、異文化コンフリクト解消に、自ら乗り込まれるパワーには敬服します。
買収でも提携でも必ず食い違いがでてきます。まだまだ道半ばだと思いますが期待してます。
この連載について
各界にパラダイムシフトを起こしてきたイノベーターたちは、どのような生い立ち、人生を送ってきたのか? その深部に迫ることで、イノベーションを起こす源泉をたどる。
サントリー (Suntory) は、大阪市北区に本社を置く、日本の洋酒、ビール、清涼飲料水の製造・販売等を行う企業グループの総称およびブランド。事業の主要な部分はアルコール飲料だが、1980年代以降清涼飲料においても一定の地位を築いた。 ウィキペディア

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