この連載について
高い経済成長を実現し、世界中から注目が集まるASEAN(東南アジア諸国連合)。インドネシア、タイ、シンガポール、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、ベトナム、カンボジア、ブルネイ、ラオスの10カ国からなる成長マーケットは今、どのような状態にあるのか。シンガポールに駐在するASEANエキスパートが旬な話題を現場から解説する。
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最近、LCCとフルキャリアの境が曖昧になるような場面も見られています。いずれにせよ、当面はASEANの高成長を背景に市場自体が拡大しますが、数年〜10年後はパイの取り合いが激化する可能性が高いです。
後藤記者と私で共同インタビューしたエアアジア会長のトニー・フェルナンデス氏へのインタビューもあわせてお読み頂くと、アジアのLCCについて理解が深まると思います。
・日本の航空業界には「ユニクロ」が存在しない
https://newspicks.com/news/1933073
・社名の由来はX JAPAN。国境を超える「空のユニクロ」
https://newspicks.com/news/1933080
・ANAと「スピード離婚」、そして日本市場のリベンジへ
https://newspicks.com/news/1933081
(拙稿の写真をご覧ください。大統領と首相が立ちんぼデス)
http://masakoo.blog.jp/archives/60750301.html
ベトナム航空の高収益は、ドル箱のハノイーホーチミン線によります。経済の中心ホーチミンと本社機構のある北のハノイ間は2000km弱あり、たっぷり2時間かかります。これを私のような駐在員が日帰りまたは一泊でガンガン往復。そんなビジネスマンが沢山いるため、早朝から深夜まで毎時にフライトがあります。東京ー大阪移動の感覚です。こちらの機体も昨年からエアバスが増えて、綺麗になりました。ホッ。さらにいうと、昨年スカイトラックスの評価で☆☆☆☆をもらったので、従業員のモチベーションも上がったのか、サービスが途端に良くなりました。
まだまだ汚職があちこちに残る国ですが、航空業界はよいスパイラルに入っているようです。
増え続ける需要に対して、空港の設備が不足する場面も出始めており、各国は空港の滑走路やターミナルの増設を急ピッチで進めています。設備が拡大すれば航空業界としてさらに成長余地が生まれることになりますから、さらに規模は拡大するものと思います。
日本のLCCも明確に東南アジアをターゲットとする会社が出てきていますから、どこまで日本勢が食い込めるかも見どころとなるでしょう。
レガシーキャリアはビジネスクラスやプレミアムエコノミーの充実で、乗客数は横ばいでもトータルの利ザヤを稼ぐ作戦に出てくるでしょう。記事中にもあるように、LCCも国際線ではビジネスクラスを設定してくる傾向があります。LCCのビジネス=レガシーのプレミアムエコノミーくらいの感覚にはなろうかと思いますが、棲み分けの動向次第ではレガシーによるLCCの買収、子会社化というところに落ち着くかもしれません。日本でもすでに前例が出ています。
特に夕方にかけて遅延も多いですが、対抗するベトナム航空も遅延が少ないとはいえない。
ベトジェットは、ベトナム航空のようにスカイチーム等のプレミアムは受けれないものの、普段使わない人であればあまり気にならないでしょうし、独自の「スカイボス」を申し込めば一番前に席指定でき、かつ、ラウンジ等も利用できます。
LCCと通常キャリアとの境界はどんどん低くなっていきますね。