トランプ大統領：「米国第一主義」へ雇用創出 初議会演説
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主にビジネス関連で気になった点・気づいた点を若干。
①米国内に投資をし、雇用を創出することをコミットした会社として、GM、フォード、クライスラーの次に、スプリントとソフトバンクの名前が触れられた（トヨタの名前は出ず）
②企業が米国に進出しやすく、撤退しにくいシステムを作らなければならないと主張。
③米国企業は輸出において、海外から不当な税金・関税を掛けられている一方で、米国内への輸入に関してほとんど課税をしていないと指摘。自分は自由貿易を支持するが、同時に「公平」な貿易が必要だと強調。
②、③からは、トランプ政権内においても、共和党プラン（国境調整）の検討が進められていることが伺えます。
<国境調整について>
https://newspicks.com/news/2090148
https://newspicks.com/news/2065468Since my election, Ford, Fiat-Chrysler, General Motors, Sprint, Softbank, Lockheed, Intel, Walmart, and many others, have announced that they will invest billions of dollars in the United States and will create tens of thousands of new American jobs.
このフレーズに再びトヨタの名前が出てこなかった。不気味な沈黙ではないか。継ぎはぎだらけで、メリハリがなかったですし、最後の方は精彩を欠く感じでした。それはともかく、「大軍拡」とか「不法移民の合法化」などという事前リークはガセネタで、結果的には想定内の内容という感じでしょうか。
以下、気になった点をいくつか・・・
１）冒頭に黒人月間を讃え、ユダイ系へのヘイトを戒めたのは良かった。
２）国内雇用優先主義は相変わらず。
３）オバマケアの改訂はかなり具体的な話だったが、条件を改善した上に加入しない自由を認めると追加財源が必要になるはずで、要するに具体的には全く詰まっていないように思われる。
４）移民については「メリット制」つまりスキルのある移民を入れる話を提案したが、唐突感が否めず。
５）同じく移民について、不法移民の犯罪被害者遺族を何人も紹介していたが、その部分はそれだけで、特に強制送還とかに触れてはいなかった。時間切れで、投げやりな編集になった気配。
６）イエメンでの軍事作戦での戦死者を徹底して英雄視し、一部には政権への不信感も表明していた奥さんを最終的には感動させたあたりは、ヤラセではなく、それなりにリアルな感じが出ていた。オバマやヒラリーにはできない「クサイ芝居」を堂々とできるのは、一種の才能。
７）ＮＡＴＯとの絆を強く宣言しつつ、「それでも負担金は払え」と釘を刺すあたりには、やはり政権内に硬軟両派の確執がある印象。
８）マクマスター新安保補佐官が「言っちゃダメ」と諫言しているにも関わらず、「ラジカル・イスラム・テロリスト」とまだ言っているあたり、コア支持層の「感情論を裏切れない」という束縛の強さを実感。
９）最後は疲労感が濃厚で、尻切れトンボという印象。
ということで、１１月の勝利宣言が「１００点」で、就任演説が「４０点」なら、この合同議会演説は「５５点」というところでしょうか？ 少なくとも株を投げ売りしたくなるような演説ではありませんでした。
