【出木場久征】Indeed買収の際に意識した「統合をしないPMI」
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注目のコメント
出木場さんの考えがブレずにかっこいいし、indeedは大成功していて本当にすごい。
多分買収時は自社で事業を作る会社が買ってきた事業をこんなに大成功させるなんて、思っている人少なかったと思うけれど、逆に自社で事業開発できるからこそ、買収後もうまくいくのだという結果になった。
>私が考える、M&Aで成功するためのポイントは「買収対象によい会社を選ぶこと」「できるだけ統合をしないPMI(買収後の経営)」【オーナーシップとリーダーシップ】
ふむふむ。ふむふむ。
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オーナーシップはリーダーシップとは違います。ポイントは「任せる」ことです。ゴルフに例えると、オーナーは、カップの場所を決めて、パーの数を決めて、プレーヤーを選んで、あとは任せる。パー4と決めたら、途中どのルートを通ろうと、4打で入ればいい。
これが「優れたオーナーシップ」です。任せる範囲と期間を決め、ベストとワーストの幅、ワーストの場合のリスクを見極める。そのうえで育てたいと思うリーダーを任命すること。
リーダーの次は目標を決める。パー4なのか5なのか。そして方向性を示し、相談に乗る。あとは信じて任せる。たとえ1打目にパターを持って出てきたとしても任せることです(笑)。
そして結果を冷静に評価し、最後は自分の任命責任を問う。例えばパー4をトリプルボギーで上がったなら、「プレーヤーがこの人でよかったか」に加え、そもそもパー4の難易度だったのか?ということも自問すべきです。
この「信じて任せる」が日本企業は苦手だと言われますが、リクルートはその逆です。今回のIndeed買収でも、私にすべての権限が委任されていました。Indeed側も当初は、リクルートCEOの峰岸(真澄氏)を出せと言ってきましたが、私に全権委任されているから峰岸に聞いても同じだと何度も言いました。
一度交渉して日本に持ち帰り、戻ってきて答えが変わっていたら相手に見透かされます。「俺がリーダーなんだ」と認識させることで、買収後の運営もやりやすくなりました。
今思えば、よく会社は私にすべてを任せたなと思います。ちょうど峰岸が社長になって初めての買収だったこともあり、「これが失敗したらあなたの求心力に関わりますよ」と苦言を呈する取締役もいたと聞いています。
そのとき峰岸は「出木場が問題ないと言っています」と堂々と言い放った。これは私の中でも「ちゃんとやらなきゃ」という思いが強くなります。そして、あと5年は会社を辞められなくなったなと思いました(笑)。