残業上限、年720時間に 政府、働き方改革で提示
コメント
注目のコメント
そもそも年720時間の時点で、36協定で上限とされている360時間をゆうに超えているわけですが、特別条項という事実上の青天井をなくした、という意味では大きな進歩だと思います。
これが今回の現実的な落とし所でしょう、これでもよくやった方だと個人的には思います。
ただし、法は生き物ですので、労働時間に限らず時代に応じて今後も絶えず改正を検討していくというマインドセットをしていかなければいけません。
もちろん、労働に関する諸問題において時間だけが本質であるわけではありません。今回はドミノ倒しの1枚目として、どこから手を付けるのか相当悩んだ末に「まずは時間から」手を付けたのだと思います。働き方改革はまだまだこれからです。現実に労使で力関係の差がある中で、残業上限を法に明記すること自体は一定の「前進」ではあるのかもしれない。
しかし、「働き方改革」はいつから「残業規制」にすり替わったのだろうか。残業ありきでその時間の妥当性云々を議論する前に、もっと本質的に議論すべきことがあるのではないか。
「改革」と「改善」とはアプローチ自体が異なる。現状を前提とした創意工夫の積み上げで目的を達成できるなら「改善」で足る。だが目的達成にあたり現状の構造自体が破綻しているのであれば、ゼロベースで新しい構造を設計・構築し直す「改革」が必要だ。
残業の上限設定は「改革」と言えるだろうか。それで日本の生産性は高まり少子高齢化/人口減トレンドの中でも国際競争力をもち国民が豊かな生活を送れるようになるのだろうか。
もちろん残業規制以外にも様々な論点が議論されているのは承知しているが、以下の政府の「働き方改革実現会議」の資料等を見てみても、何ら本質に迫った議論が見えてこない。そもそも「議事録」が単なる発言の書き起こしに終始しており、各回のゴールや議論を通じて出た決定事項・タスクとその期限・責任者も記載がない状態でどのように検討を進めるのだろうか。資料のフォーマットも記載粒度もバラバラの状態で、本気で受け手=国民と情報や問題意識の共有ができると考えているのだろうか。
「働き方改革」の実現を目指す会議体の「働き方」が問われる中で、非常に残念だが改革の道筋はまったく見えてこない。
参考: 働き方改革実現会議
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/働き方改革を議論する際の違和感は、組合員のみが対象になっていることだ。残業が減る皺寄せは必ず管理職に回ってきます。
このままでは今度は中年管理職が死んじゃうような気がする。
大体、会社員っていうのは役員になっても自己裁量権なんてそれほどないんじゃないかと。