10年間で株価が2倍になった日本電産を大解剖
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注目のコメント
あらためて本稿を見ても、平伏するしかないくらいすごい会社であり、すごい社長だと思います。いつも、その書籍やインタビューなどを読んで勉強させてもらっています。その理由が、「1兆円企業」だからとか、「10年間で株価が2倍」だからという理由ではありません。同社の主力商材が、コンピュータの普及の波に乗り、日本の十八番・クルマ産業にも足を掛け、さらにIoTという追い風も吹いているなど環境要因で、同社の事業規模が押し上げられたのは紛れもない事実です。商売の成功の半分は、運に左右されるのだと思います。
それにしても、です。永守社長なら、何をやっても成功するのではと思うくらいのスーパー経営者です。まず感心するのは、精度を増すその嗅覚。ご自身が判るもののみを手に取り、確かめ、そしてみずから掌で転がせるまでに仕上げる術は、これ一手をもってしても再建(再興)請負人です。次に、いわゆる「高速PDCA」で、組織の仕事サイクルを徹底的に速める点。確かに考えてみると、すべての仕事で時短を進めればおのずとムダが削れてくるものですね。最後に(私の頭で消化しきれるのはこの三点のみ)、資本の使い方を非常に熟知していること。資本主義の本質は、資本を社会の仕組み(人、生産財、国家)から引剥がし解き放つことで、経済の進歩を加速させることです。これなくして4人の会社を10万人に拡大することは不可能です。前二者の要素により徹底的にシェイプアップさせた体でキャッシュを産み出し、それをテコに大きな組織を手に入れ、筋トレを続ける。気づくと、体はずいぶん大きくなりながらムダな贅肉はなく、そして積み上がった信用という「見えない財」を使って、さらなる高みを目指す。こんな経営ができる人は、そうそういないでしょう。平伏です。取り上げてる期間が微妙なのかもしれないけど、10年で2倍というのは投資をしている人間からするとあまり魅力を感じないかな。売上2倍になってるなら利益は3倍以上にはなっていないと生産性の向上や規模の経済が効いているとは言い難いと思います。同期間のスタートトゥディやエムスリー(収益逓増のネット企業)、アークランドサービス(規模の経済の効く小売り)なんかと比べても、やはりこの手の景気敏感なセクターは難しいなーと思いますね。