【解説①】なぜ東芝は、「赤字の元凶」原発事業を売らないのか
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文中にもあるように、ドイツの原発18基全てを自ら建てたシーメンスは、原発(正確にはリアクター関連)事業から2011年に撤退しました。またそれ以前に、原発事業は単独で維持困難と判断し、既にAREVAとの合弁会社に移管していました。加えてウエスティンハウスの非原発事業(火力発電部門)はシーメンスが買収しており、今でも米国法人のオフイスはWHの旧本社です。
この一連の流れは、シーメンスが、ドイツ政府の意向も踏まえて、「原発事業は民間企業単独では維持不可能」と判断し、ガス火力とメンテナンス事業に大きく舵を切り替えた事によります。
一方で、日系重電御三家が、GEやAREVA,WHなどの外資との関係を強化した背景には、「核技術」に関する日本政府(と一部米国)の意思とバックアップがあったことは間違いなく、福島の事故への対応含めて、「原子力、核技術に対して、日本国が今後どう向き合うか?」を明確にする義務が現在の政府にはあります。
事業縮小、撤退、会社整理等含めて、そろそろ原子力行政の向こう10年、20年をどうするか?を再考すべき時期だと思います。民間企業単独では決めきれないくらい複雑な利権が背後に存在する原子力事業ですが、国内で3社も不要なことは明確な事実です。原発の一番やっかいなところは、辞めるのも大変ということです。
今回はざっくり書きましたが、原発をめぐる問題は、メーカーにかぎらず、電力会社も、核燃料サイクルも、最終処分も、安保も含め、複雑に絡み合った問題が山積しすぎていて、逃げたくなります。
本日東芝の原発事業の損失額が発表されますが、こうしたタイミングにでも、原発をめぐる問題を打開しないと、いつまでもダラダラ先送りが続くことでしょう。
それこそ、事態を切り開く、強烈なリーダーが必要なのかもしれません。
参考)https://newspicks.com/news/2046750大変勉強になりました。原発事業を売るに売れない状況、福島のためにも国として必要だが反感を買う国の関与は政治家的にはやりたがらないということ。ここまで踏まえた上での発言だとすると、先日NPでは袋叩きだった御手洗さんの「国の関与が必要」発言も十分理解できます
また、琴坂さんと同様、『各々の企業が徐々に衰退し、ギリギリになって政府主導の再編が進むという日本では見慣れた「負けパターン」が登場するかもしれない。』という一節が印象に残りました