電通社員過労自殺 遺族へ謝罪や再発防止策などで合意
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このニュースを見ていつも思うのは、単純な労働時間の問題ではない、ということです。
どこかの大学教授が「ここ程度の残業で死ぬなんて」といった発言をして炎上していましたが、確かに、単なる労働時間なら、亡くなった女性より長時間働いている人もいるはずです。
大学での研究時間も、残業に換算して月100時間を越えることなんて、珍しいことではないのではないでょうか。
問題は労働時間ではなく、パワハラや、それに類する無意味な業務の押し付けによる精神的な疲弊にあるのではないでしょうか。
この女性も、単に忙しい、残業が多い、というだけでは、自殺にまで追い込まれることはなかったのではないかと思います。
しかし、報道では労働時間の問題としか取り上げず、単なる労働時間の削減を「働き方改革」なんて大層な名称で呼び、ことの本質が見えなくなっている気がします。
「詰め込み教育」を見直すはずが、単に詰め込む量を減らしただけの「ゆとり教育」になって失敗したのと同じことになりそうな気がします。生まれた瞬間、「有限責任」という棚から牡丹餅をもらった「会社」というものは、とても恵まれている。そのおかげで膨大な資金調達力がついて、大きいことができる。何千億円を投資して、何十万人を雇えられる。そしてそこで働く人間の多くも恵まれている。(もちろん、この事件はその大きいな例外だが。)
18世紀にイギリスのLord Baron Thurlowが言ったように、
"Corporations have neither bodies to be punished, nor souls to be condemned; they therefore do as they like. "
つまり、「会社というものは犯罪を犯しても刑務所に入れられないから、勝手に行動する。」
有限責任が与えられている以上、会社の「社会責任」は綺麗事になってはならない。取締役と経営者はそうならないように最善の努力をしなければならない。和解内容のうち、特に再発防止策については公表して欲しいですね。そうすることで、世間の目が再発防止策の実行の有無を監視します。
(追記)
21日の日経朝刊で、再発防止策は18項目でその主なものについて報道がありました。もっとも、原文ないし詳細を見ることはできていません。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20HCK_Q7A120C1CC1000/