監督が儲からない、日本の映画業界への不安 〈AERA〉
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注目のコメント
津川雅彦さん、京都国際映画祭で挨拶に立ったときも辛辣なことおっしゃるんでハラハラしましたが、耳を傾ける部分あるんでしょう。政府・知財本部で映画振興委員会が立ち上がりましたが、こうした論点をどう扱うか。委員長を仰せつかったので問題意識持っておきます。
この世界の片隅にで用いられたクラウドファンディングが注目を浴びていますが、ことアニメに関しては、クリエーターや制作会社に直接投資するシステムになっていないことが最大の問題だと思います。
製作委員会方式では、いくらお金があっても作品一本にかかる制作費は抑制され、かわりに安い制作費で沢山の作品が製作される。
このあたりの仕組みは、12/24に行われた岡田斗司夫氏と山本寛氏の対談が非常に興味深かった(そのうち、ログミーあたりで記事化されるのではないでしょうか)。
追記
上記対談で語られていた、製作委員会というスキームの問題点を以下に。
海外等出資したい会社はいくらでもある、お金もある。
だがそれだと、版権もっているような製作委員会に参加している会社が、製作委員会で主幹事になれない(作品をコントロールできない)。
主幹事会社がコントロールするには、出資比率例えば40%などが必要。
ただし、主幹事会社には出資できる限度がある。
それが4千万円だとすると、そのバジェットは自動的に上限1億円に決まる。
でもお金だけはあるので、低予算は変わらず作品数だけが増える。
よって、お金はあるのにクリエーターにお金が回らない。
という話でした。日本では、アイデアやソフトウェアに対するリスペクトもなければ、そこに対価を払うという発想もなかったというのは、IT業界で散々言われてきた話ですが、映画界からも出てきたことに問題の根深さを感じます。
作品の質と興行成績は比例してるわけじゃないのに、映画会社は成績(収益)ばかりに囚われているわけだから、個性的で才能のあるクリエイターが育つ土壌が生まれないのかもしれません。
映画館のスクリーンで上映することを前提としないのなら、良質な作品の発表の場は結構あると思うのですが。仮に低予算でも。
もっともアメリカでも、儲かる映画は、いわゆるハリウッド映画の一握りのみです。映画業界が儲かっている様に見えるアメリカで、映画監督が日本と対比して言うほど順調に育っているとは思えません。