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プーチン大統領帰国直後にインタビューして頂いた内容の文字おこしです。
私自身も首脳会談の内容をどうにか咀嚼しようと試みながらのインタビューですのでいろいろ瑕疵もあろうかと思いますが、この点は皆様からのご意見を給われましたら幸いです。

この中で触れた日露2+2についてはその後、あちこちに聞いてみたところ、「日本政府としてはやぶさかでないものの、さすがに米国の目もあるので今回は合意までいなかったのでは」という見解が多いようでした。
おそらくロシア側もそこまで見越して、敢えて安保協力の再開も日本側に働きかけていることをリークしたのだと思われます。
【国際】結局のところ日露首脳会談は終始プーチン大統領のペースで進み、日本は完全なる「外交的敗戦」を喫したと言ってよいだろう。だが、この「外交的敗戦」は素人であっても十分予測可能なことであった。日本にいても、NHK BSのワールドニュースのロシアパートを見てさえいれば、おそらく多くの人が今回の日露首脳会談で「負ける」ことを予測できたと思う。

ロシアTVではそもそも日露首脳会談について扱われること自体が稀で、大抵の場合はトップニュースで扱われることはなかった。ロシアの最近の関心事はシリアのアレッポ情勢であり、ほぼ毎日トップニュースはアレッポ情勢を伝えるものであった。これはロシアTVのみならず、BBCやアル・ジャジーラも同様であったが。

ロシア国内の動物園でベンガル虎の赤ちゃんが生まれたニュースが伝えられても、日露首脳会談について触れられなかったという日もあったくらいで、この点からロシア国内でいかに日露首脳会談と北方領土問題(南クリール問題)への関心が低いかがうかがえる。

私が今回の首脳会談で日本側が得られるものがほとんど何もないであろうと確信したのは、首脳会談の前日のロシアTVのリポートを見た時だ。ご丁寧に首脳会談が行われる長門まで赴き、元乃隅稲成神社で皮肉と本音に満ちたリポートをしている。リポートの主旨は次のようなものだった。

「日本は南クリール問題について過剰な期待をしていますが、ロシアの立場は日露間に領土問題は存在せず、領土問題が存在しているのは日本にとってのみです。日本人は願いを叶えてほしい時に神社にお参りをして、賽銭箱にお金を入れて願い事をします。ところがこの神社の賽銭箱は5mの高さの鳥居の上にあり、1回ではとても入れられそうにありません」。

要するに、「1回の交渉で解決できるわけないだろ。何回でも交渉してやるから、何回でも賽銭を投げに来いよ」ということである。結局のところ日露首脳会談の結果はロシアTVのリポートの通りになった。

数ヶ月前、日露首脳会談に過剰な期待をしていた人たちの言い分は、「今回はスタート地点だ」とお茶を濁すが、決してそんなことはない。北方領土問題はこれまでも長きにわたって取り組んできているのであって、今さら「スタート地点」などと言うのは日本の戦後外交史を否定するものだ。
ロシア専門家でNewsPicksプロピッカーの小泉さんの分析。小泉さんとは、外務省で一緒に働いていた時代、そして最近ではプーチン特集やトランプ当選によるロシアの影響などを寄稿していただくなかで、様々議論した。ポイントをついた分かり易い分析。

この2つに注目。外交は一夜にしてならず。
『そもそも最初から、ロシア側の基本線は「ゼロ島+経済協力」だ。』
『最初からロシアの姿勢は変わっておらず、日本側の期待値が上がりすぎたという側面が大きい。』
昨日の安倍首相・プーチン大統領の共同会見を受け、ロシア安全保障の専門家・小泉悠氏に急遽、本件を分析していただきました。会見を見ても、なかなか日本の得られたものがわかりづらかったのですが、やはり小泉氏の見立ても厳しいもので…。日本にとって、「外交とは何か」を考えさせられる出来事だった気がします。

【追記】
共同記者会見の全文は以下のサイトに掲載されています。
http://www.sankei.com/premium/news/161216/prm1612160012-n1.html
日ロ首脳会談を安全保障から分析した非常に分かりやすい考察でした。北方領土は四島返還が原則中の原則だが、オールオアナッシングですまないところに安倍首相の苦悩がある。ましてや米ロのパワーバランスの呪縛から逃れられない以上、とりあえず先送りするしかなかったといえます。ただ同じ先送りでも、今回の会談はその場で立ち止まるというより、とりあえず経済を前面に押し出して、駒を前に進めながら様子を見ると言ったところでしょうか。
全然別の話になってしまいますが、プーチンさんは日本が苦手なのかな。ホームの利は当然あるとはいえ、今回の会談は終始、安倍首相の方に余裕を感じました。対してプーチンさんはどこか落ち着きがなかったし、気のせいか早く帰りたくて仕方がない、といった印象を受けました。まったくの印象ですけど。
安全保障問題の指摘は全くその通りです。
私自身もこの部分を、最重視してきたので、残念ながら今回は領土問題解決に至る直接の道筋をつけるまでは至らなかったという評価が妥当だろうと思います。

ただ、戦略的に見てロシアとの友好関係醸造は、大きな意味があります。
例えば、ロシアは中国の再三の要請にもかかわらず、尖閣諸島問題については明確な態度を示していません。
この辺りも、中国が尖閣問題で大きく出れない一因になっていて、日本にとっては間接的に有利な環境になっているわけです。

今回の特別の制度での共同経済活動がどのようなものを示しているのかは、追々明らかになるでしょうが、平和条約締結に向けて、関係を醸造する道筋になることを期待したいと思います。
とてもよい方向だと思う。100の行動92に具体的な提案が書いており、まさにその方向に物事が進んでいます。↓
http://100koudou.com/?p=2291


しかし、このままの状態では北方領土問題は動かない。ロシアがアジアシフトし、日本からの投資を望んでいる今こそ、チャンスかもしれない。このビザ無し交流の枠組みを拡大して、対象者を元島民等に限定せず、北方領土の経済発展を目的に加えることで、特例を作る形はどうだろう。北方領土への日本からの投資を進め、社会・生活インフラ整備を政府主導で整備し、民間企業を誘致して生産・物流工場、商業施設を建設し、日本から働くヒトを北方領土に投入するのである。

 最初は最も近接する国後島から始めればよい。人の交流があり、経済が回れば、共存関係が生まれる。現在の北方領土のロシア人の人口は、国後が約7000人、択捉が約6000人、色丹が約3000人だ(統計上歯舞諸島に居住者はいない)。この過疎地域に日本から大型投資を行い、日本人がロシア人とともに共存し、観光客が訪問し、豊かな経済を構築する。カジノリゾートをつくるのも一案であろう。国後から始めて、現地のロシア人も豊かさを享受すれば、色丹と択捉にも誘致の声が上がるかもしれない。そうして経済圏として一体化した結びつきを作るという方向性で問題解決を目指すべきではないだろうか。

 戦後70年を迎える今年。30年後の戦後100年までには領土問題は解決させ、一体となった経済として運営したい。そのためには、これまでとは違ったアプローチを模索すべきであろう。
「領土問題がなければ経済協力はない」
と突っぱねることはできなかったのでしょうか?

具体的な経済協力のツメがまだなので、無条件で交渉カードを切ることだけは止めていただきたいと思います。
>最初からロシアの姿勢は変わっておらず、日本側の期待値が上がりすぎたという側面が大きい。

プーチン氏の立場になって考えれば、仮に返還に応じた場合、ロシア国内で「領土をカネで売った」というレッテルが貼られます。これでは決してWin-winと言えません。そう考えると、日本だけが勝手に盛り上がり過ぎた、という表現は至極真っ当だと言えますね。
2015年にメルボルンで行われた国際口腔外科学会で、ロシアの歯科医師と話をした。
[こんなことロシア国内じゃ言えないけど、プーチンはアメリカ大好き。お金がたくさんあるから。ロシアの生活は苦しい]と先生は言っていた。

日本の原油輸入の8割を占める南シナ海航路に不安がある今、北極海航路や豊富な天然資源をもつロシアとの経済協力は、日本にとって短期的に得られたものがなかったとしても、長期的には重要な価値をもつ、と私は思います。

参考:北極海航路
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%A5%B5%E6%B5%B7%E8%88%AA%E8%B7%AF