トランプ次期米大統領、就任初日にTPP離脱指示へ
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下品で野卑な表面の裏にある彼の本質はタフネゴシエーター。二国間取引、というのが気になる。レーガン時代、ロン・ヤスだと持ち上げた挙句、好き放題に圧力をかけてきたのが共和党のアメリカでした。USTRの「制裁」をちらつかせた日米通商交渉や金融を巡る強圧的な対日21箇条要求を思い出します。
腹を固めていかないと。新たな枠組みとしては、RCEP(東アジア地域の包括的経済連携)、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)などがクローズアップされるだろう。いずれも興味深い枠組みだが、前者は米国が入らず中国が入り、後者は米国も中国も入る枠組みで、TPPとは戦略的な意味合いが異なる。また、トランプ大統領が、日米FTAを提案してくる可能性もある。
日本はかつて、WTOにこだわり過ぎて、経済連携協定の流れに乗り遅れた。ポストTPPについて、早急な戦略の練り直しが必要だ。
また、石炭、シェールガスなど、化石燃料に対する規制は緩和されそうだ。温暖化を含めた環境政策には、アゲインストの風が吹く。環境大臣の時に感じたが、米国ではただでさえ、EPA(環境保護局)の力が弱い。トランプ大統領になると、更なる弱体化は避けられそうにない。本来、ここは我が国が旗振り役をやるべきなのだが、パリ協定の批准の遅れ見られるように、安倍政権の動きは鈍い。元々TPPは日本にとっては経済的なメリットがそうあるわけではなく、労働分配率が2.32%押し下げられ、7万5000人の雇用喪失につながる、輸出拡大により、GDPの押し下げ効果の方が大きい、など経済的メリットについては悲観的な見方が多かったのです。
それでも日本としてTPPを推し進めざるを得なかったのは、中国中心の経済圏の出現を阻止し、あくまで日米を中心とした経済圏で、アジア太平洋地域の自由貿易システムを守る、という地政学に基づいた戦略的な意図があったことは否定できません。
従って日本にとっては経済的にはさしたるダメージもないわけで、粛々と個別のFTA、ETAを推進していけばいいのです。
ただし対中戦略的には、これで改めて戦略の練り直しを余儀なくされることになるでしょうね。