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こうした話の結論は、要するに日本も難民を受け入れろという話で、それはそれで人道的にも、国際協力の観点からも吝かではありません。

しかし、難民問題を生んだ悲惨なシリア内戦の解決を放置して、自分たちに関係する難民問題ばかりを騒ぎ立てても、結局何の解決にもならないのではないでしょうか。

そもそも中東の混乱の元凶は筆者の母国イギリスの三枚舌外交などという点まで蒸し返すつもりはありませんが、今やシリア内戦は単なる内戦の域を超えて、完全な国際戦争になっています。

欧米諸国はこうしている間にも、アサド政権の空爆を人道的な立場から非難する一方で、反政府軍にはせっせと武器を供給しています。
又ISばかりに目をとられて、クルド人に大量の武器を渡し、シリアの分断化を決定的なものにしてしまいました。
恐らくシリアが以前の様な統一国家として存続できる可能性は、極めて低いでしょう。

今、アレッポでは、政府軍ークルド人の連合軍(及びイラン、レバノンからの外国人兵)と反政府軍が戦っています。
しかし、政府軍に供与されたロシア製の兵器以外に、両軍が使っているのはアメリカ製の兵器です。

シリア内戦は、今や外国の力によって、言うなれば続けさせられているいるのです。
だからそれを止めるのも、国際的な内戦終結のための枠組みを作るしか道がないはずです。

かつて3週間ほどですが美しかったシリアを旅行し、その素晴らしさに心打たれた人間の1人として、今どれほどのシリアの人たちが今悲惨な境遇にいるかを思うと、心が締め付けられます。

人道的な報道には敬意を表しますが、しかし、それを日本に訴えるの前に、まずシリアの人たちに内戦を続けさせているあなたがたの国の政府に、解決のための圧力をかけてほしい。
私はそう思います。
3つの側面から考えたい。
まず、シリアなりイラクなりといった人為的に作った国境は、近現代のものであって、伝統的なアラブやペルシャの文化ではない。アメーバのように部族単位で融通無碍に暮らしていたところに西欧が国境線を引いたということ。
2つ目は、その人為的に作られたシリアという国の中で、アサド政権側が行なってきた化学兵器の使用を含む数々の非人道的行為。それがロシアの介入で生き延び、ISとの三つ巴になって生き残っているということ。
3つ目は、難民受け入れを拒むようになった欧州の変容。
結局1番目の歴史的経緯が2番目の悲劇を生み、その責任を負う欧州が3番目の問題を引き受けてくれないというのが事の本質です。

日本に関係ないなとと突き放すつもりはないし、僕も世界的人権団体HRWやトルコの難民支援プロジェクトに身を投じて人道支援に実際に汗もかいているが、やはり欧州には責任がある。日本は人道支援に徹し、この地域の戦闘に巻き込まれてはならない。
別の角度から5つ補足しておきたいと思います。

(1)富裕層と中産階級は、その順番で多くの人が脱出しているようで、その反対に現在シリアに残っている人々の多くは、経済的な理由で「逃げられなかった」という事情を抱えていると推測されます。その分だけ人道危機は深いということです。

(2)この種の紛争では、解決を模索する人間が誠実で、解決を志向しない人間が怠惰か無能という印象を受けます。ですが、そのウラには「紛争が継続する」ことでメリットを受ける勢力があるのです。そのメリットが何なのかを見据えて、その勢力に代替案を呑ませねばなりません。

(3)国際社会に公然と反旗を翻し、共通の人道価値観に背いて挑発を続ける勢力、すなわちISとアルカイダが関与しているというのが問題を複雑にしています。一つ言えるのは、この2つの悪の占領地に暮らしていた人々の多くは受動的に支配に屈していたわけで、思想的に真から汚染されていたわけではありません。ですから、住民もろとも殺傷するという方針は人道に反するし、また何らかの方法で「解放」できた場合は、その住民は「基本は善玉」として扱わなくてはならないと思います。勿論、悪意を抱えた分子の摘発は必要ですが。

(4)選挙には敗れましたが、ヒラリー・クリントンは「イランの無害化」「クルドの地位向上」を足場に、恐らくは「ハマス」と「ヒズボラ」の無害化とパレスチナ和平までを視野に入れた構想を持っていたようです。検討に値する戦略と思います。問題はプーチン、アサド、エルドアンの三者に対する敵視の程度調整にどこまで誠意があったのかですが。いずれにしても、現在のトランプ次期政権は、その政治的な「ちゃぶ台返し」をやっているだけで、現時点では具体的な戦略は持っていないと思われます。

(5)そのアメリカでは、次期政権の陣容ばかりが報道され、ここへ来て悪化しているシリア情勢に関する報道は最小限に留まっています。世論の関心はほとんどありません。大西洋の向こう側のトラブルには距離を置くという伝統的な心理が蔓延しています。何とも残念なことです。
先日、トルコのエルドアン大統領は、難民を受け入れる代わりのトルコ国民のEUへの渡航ビザを免除を実施せず、さらにトルコの国内の治安対策にも理解を示そうとしないEUに対してヨーロッパを目指す難民や移民に国境を開くと警告し、EUとトルコの関係が一段と悪化しています。この点も注意が必要かと。
取材の度に実感するのは、避難生活を送る人々だけではなく、受け入れる国々、支援を続ける人々も疲れ切っている、ということだ。最初は集まっていた寄付も、「これだけ寄付しても状況が変わらないの?」と年々減ってしまう。そんな支えが必要なのは、むしろ長期化する今だからこそ、と思う。厳冬が中東の地を覆っていく、今。
2014年から15年初めにかけて、IS(イスラム国)が台頭し、アサド軍は風前の灯のところまで追い込まれた。しかし、ISの弱体化や、ロシアの介入などでアサド軍が息を吹き返し、日本でも報道を目にするアレッポの攻防戦のような内戦が未だ続いている。
現状は記事が指摘する通り、アサド軍が国を統一するような決定的な力はない。
そして、ヨーロッパでは移民排斥に向けた動きが広まっており、シリアから「逃げる」という選択肢も失われつつある。
まさに、泥沼、生き地獄…。
それが、シリアの置かれている現状なのだろう。
難しい政治情勢はわかりませんが、そもそも身の危険を感じて逃げなきゃいけない人は助けたいですね。自分も同じ状況だったらどんな国でもいいから逃してほしい。中南米で暮らしてると’治安が悪い’ってことがどんなことか、肌に感じられるんで共感するところは大きい。