僕、宮台真司がトランプ大統領の誕生を待ち望んでいた理由
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注目のコメント
お久しぶりの西田亮介さんに一言。
<感情の劣化>は、そう呼ぶかどうかは別としてフランクフルターの発想で、彼らは権威主義的パーソナリティと呼びます。
権威主義的パーソナリティを言い始めたフロムの仮説では中流下層の「没落感」が規定因です。
ところが戦後の米国効果研究の仮説では今で言うソーシャルキャピタル(人間関係資本)の劣化が規定因だ、となります。
以上を意識して書いたのが、以下のパラグラフになります。
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中間層が支えるソーシャルキャピタルが潤沢だったから「正しい」ことが「快楽」だと感じられた。心に余裕があったから「正しさ」と「快楽」が重なった。貧乏になると──正確には地位が墜落する途上で──人は自分の弱者感を強いものに寄りすがって埋める。大衆社会論ですね。
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追記(16.11.18 14:56)
西田くんが出てきた十年前のあのゼミのフィーバー感は、今でもOBたちの間では語り草です。朝日新聞の高久潤くんとか、最近本をたくさん出している堀内進之介くんとか、とても有名な鈴木謙介くんとかが、勢揃いしていました。本当にすごかったな…面白い論考ですね。保存版だと思います。
「正しさ」と「快楽」が分離する現在の目指すべき方向は「楽しいけど、正しい」こと。
近代社会は、①資本主義(経済性)、②国民国家(安全)、③民主制(自由や人権)のトリアーデ。どこかに重きをおくと他を犠牲にせざるを得ない(=トリレンマ)ため、全てを満たすことはできません。
宮台氏は、グローバル化の性急な進展によって②の国民国家が後退して、①資本主義と③民主制の対立が、資本で幸せになるか主権で幸せになるかの二者択一を人々に迫っていると喝破します。
その他にも面白い切り口がたくさん。読み手にマウンティングしようとしてるのだけが難点ですかね。先日の冨山和彦さんの意見とは違った角度からの、宮台真司さんによる「グローバリズム退潮論(修正論)」。
【冨山和彦】「Gの時代」が終わり、「Lの時代」がやってきたhttps://newspicks.com/news/1888670/
ラジオ出演時に伺った宮台さんの意見が説得力に満ちていたため、急遽、寄稿をお願いしました。
盲目的なグローバリズム礼賛でも、凝り固まった反グローバリズムでもない、現実的なグローバリズム論が日本でも定着することを願うばかりです。