「心臓なし」で555日、臓器提供待ち続けた男性が手術 米
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人工心臓には大きく分けて二つのタイプがあります。一つは心臓をそっくり取り除きその働きを代行させる「全置換型人工心臓」で、もう一つは元の心臓はそのままにその働きを助ける「補助人工心臓」です。
重症心不全に対する治療として特筆すべきは「補助人工心臓」の変遷で、これまでは心臓移植までの待機期間を橋渡しするための「ブリッジ」としてその役割を担って来ました。しかし、心臓移植の適応とならないような65歳以上の患者さん(日本循環器学会は平成25年に心臓移植適応年齢を65歳未満が望ましいとしている。医学的な絶対的根拠はなく社会的通年から決められている)も治療機会を得られるべく、現在では、適応基準をクリアすればその先に移植が待っていなくても補助人工心臓装着の治療を行っています。これを「デスティネーション・セラピー」と呼んでいます。医療界におけるデスティネーション・セラピーの影響は大きく、ペースメーカーのように普及する前に、特殊な病院の医師だけでなく我々のような一般病院の医師も補助人工心臓に対する基礎的なトラブルシューティングの知識が求められるようになります。
人工心臓は、1935年にその原型が試作され、1957年に日本人である阿久津博士らの動物実験が全置換型の最初の成功と言われ、その後、補助人工心臓の開発が進みました。そして現在では、前述したデスティネーション・セラピーや、大阪大学により世界で初めて確立された心筋細胞シートを用いた再生治療も始まっています。心臓外科の歴史は極めて浅いものですがその進歩は凄まじく、最先端分野は情報に疎いとあっという間に置いてかれてしまいます。以下の動画では、この人工心臓 freedom driver の製品企画のお姉さんが使い勝手を説明してくれます。さながらテレビショッピングのようです。電池が切れそうになるとアラームが鳴って、コンセントで充電。まるで家電かモーターアシスト付きの自転車を使っているような演出!
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https://youtu.be/0B_bfDFERVs