【若林秀樹】国内外の技術動向から読み解く、今後のOLED
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注目のコメント
三星が着々と構築してきたノウハウの塊である蒸着ラインやDNPのメタルマスクの技術に匹敵する技術が日本の幾つかのメーカーにあって、それをどこのパネルメーカーが活用出来るか?という話。
若林さん、まとめ記事ありがとうございます。正直、有料記事でも良いと思うんですけど、無料公開ありがたい限りです。
前編に比べてもめちゃめちゃ専門的なのでわかる人、わからない人いると思われますが、有機ELフィーバーの中で日系メーカーにも存在感がまだある!ということがわかればいいのかなあとも思います。キヤノンがトッキを買収したのはもう10年ほども前だと思うんですが、この盛況をどれだけ当時見越していたのやら…
それにしても面白いのは、この15年、殆ど鳴かず飛ばずだったアクティブマトリックス有機EL市場が昨年の秋以降、iPhone採用可能性観測報道以降、一気に状況が変わったこと。
Apple自身はなんら発表していないにも関わらず、パネルメーカーの関心も大いに高まり、市場や業界関係者も血眼になって有機ELを再度勉強している。
そして、各自があまりの韓国メーカーと日系メーカーとの開きに愕然としているものと思う。出光、住友化学、保土谷化学など幾つかの材料メーカーとキヤノントッキなどの装置メーカーにはアップサイドだけど、液晶パネル向け材料メーカー、部品メーカー、パネルメーカーにはかなりのダウンサイドだろう。
今後、各社必死で開発を進めていくと思うが、門は今のところかなり狭い。素晴らしいの一言。後で熟読します。
追記
キャノントッキが蒸着装置の先端を行っており、年間3-4台しか作れない装置が律速することを手掛かりに各社の開発計画や生産量まで予測するのは流石のロジックです。
フレキシブル有機ELはガラスではなく薄膜封止が必要で、SiN膜による封止はガラスに比べて水蒸気透過率が桁で悪いのですね。勉強になりました。マスク技術も含めて勝ち組になれる企業は少ないでしょうが、今はまだ技術が固まっていないので各社覇権争いの状態ですね。
しかし、最先端の装置を導入しても当然ながらそれで高性能と高歩留まりが達成できるわけではありません。装置メーカーと協力しつつも、膨大な実験を重ねて成膜の「レシピ」を作成する必要があります。既に装置を使いこなしているSamsungにはやはり一日の長がある。シャープホンハイやJDIは装置導入と量産立ち上げを急ぐ必要があります。
お返しじゃないんですが、Samsungの技術者引き抜き返して垂直立ち上げを実施して欲しいものです。テリーゴーのホンハイならやりそう。