インタビュー:車の未来変えるのはグーグルやアップル=奥山清行氏
コメント
注目のコメント
【一部、加筆】自動車会社が1サプライヤーになるわけがない。それほど自動車産業の規模は巨大なのだ。トヨタなどのメーカーは、傘下のサプライヤーの従業員を入れれば何百万人もの雇用を支えている。自動車に搭載されている電子技術はソフトも含め、あくまで車の一部であり、過去から電機会社の技術を取り込んで自動車のエレクトロニクス化は進んできた。多くのサプライヤーの技術者が自動車メーカーの研究開発部門に入り、共同開発をサイマル(新型車の開発と生産の計画を同時に行うこと。緊密にやればやるほど開発期間が短縮する)で行っているのだ。外部の企業が勝手にソフトを作ったとして、それをそのまま車に搭載できると思ったら大間違いだ。標準で1モデルに搭載するには何年も前からメーカーと一緒に開発しなければならない。
もしかしたらトヨタなどはすでにGoogleなどと将来の自動運転技術で共同開発を秘密裏にしているかもしれない。何年か先を睨みながら。自動車産業のことを知らないわけではない工業デザイナーの言としてはややシリコンバレー寄りな発言かな。日本やドイツ、イタリアの自動車メーカーのサプライチェーンや技術開発のことを考えてみるとなかなかこの壁を突き崩すのは難しいと思うのだけどな…
走る、搭乗者と歩行者の安全性の確保、居住性、乗り心地、衝突安全性、別にEVになろうが、自動運転車になろうが、変わらないものがあるし、それらも含めて自動車メーカーと自動車というハードが提供してる価値。毎日技術者が燃費を良くするために1g単位で軽量化に励んでることを知っていればそう簡単なことは言えないし、プロダクトライフサイクルが半年くらいしかないスマホやPCほど簡単ではない。
海部さんの解説はわかりやすい。例えばサービスやソフトに価値の大半が移転して自動車メーカーがTierになるというのは全くありえない未来ではない。日系自動車メーカーは欧州に比べ電子化ではかなり遅れてるのも事実なのでトヨタ世界一!とかで喜んでる場合ではない。奥山さんの講演を拝聴する機会が少し前にありましたが、この記事の最後にある、”近未来のニーズに対応するには、自動車メーカーは「ハードウエア(車)だけではなく、それを含むシステム全体を売らねばならない」”という、彼の主張にとても賛同しました。講演の中で紹介された奥山さんのプロジェクトというのは、実は「デザイン」といっても「お絵かき」の部分ではなく、こうした「システム全体のデザイン」を考えているところがすごい、まさに今、当地で流行している「デザイン思考」です。
「自動車会社がグーグルのサプライヤーになっちゃうよ」という部分に反発する向きもあるかと思いますが、そのココロは「システム全体」を司って、「サービス」を提供する人がメイン・プレイヤーになるんだよ、ということだと思います。私自身も、「ソフトウェアをベースにしたサービスがメインになり、ハードウェアはその部品となる」という時代が到来しつつあると思っています。