大企業のジョブローテーションに意味はあるのか?
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日本企業で一貫して人事畠を歩んできた方など、ジョブローテーション信者が多いと感じます。
どのような人材が求められるか、将来的な見通しも含めて検討するということになりますが、前提としているのが終身雇用なのか(そしてそれの前提となる右肩上がり成長の継続)、それとも不確実な環境なのか、この辺りを無視して人事施策の導入だけに心血を注がれると、うんざりしてしまいます。
企業内で果たされる役割の中で、ジョブローテーションが効果的なものもあるでしょうが、多くはそうではなく専門性の低下を招き、アウトソーシングに頼る結果、人的資源の差別化や競争優位を創出できないことも。
いまだに総合職、一般職などの区分での募集の仕方も多いですが、その職務の実際の姿を何もイメージできないものですし、裏には事実上、人員計画どころか、大まかなヴィジョンすらまともに立っていないことが多いようです。
注目のコメント
楠木先生が経済学者としてタダモノでないことが伺える深い考察。「人や組織に関する施策や制度についていえば、全面的に「いいこと」や全面的に「悪いこと」はほとんどありません」というあたりは至言です。
さて、ジョブローテーション。全社の視点で人材育成や人事制度の議論をするときに経営レベルで良く出てくるのは、「ちゃんと経営幹部を育成するために幹部候補生はちゃんとローテーションさせないと」ということ。記事でいう「掛け算」の内容ですが、「専門バカ」ではマネジメントは出来ません。もちろん専門家は専門家として生きていく方法もあるので、すべてを一緒くたにやっているというのはちょっと違うかもですね。
個人的なキャリアとは関係ないですが、ジョブローテーションのもう一つの意味は、組織のタコツボ化を防ぐことです。組織はすべからくタコツボ化します。これはいつの世も真な、いわば「定理」ですね。なので、適度にローテーションすることで部門の部分最適を防ぐというのも、全社的な意義と言えます。人事のプロに聞くと、占部さんの言う通り「専門バカ」にマネジメントは出来ないという観点からジョブローテーションさせるパターンと、どこからも早期に追いだれるために結果としてジョブローテーションしているパターンの2種に分かれる。そして後者の人でも自分は前者だと信じているケースが意外と多いとのこと。